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【感想・評価】マンチェスターバイザシー|救いがないから救われる?

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皆さんこんにちは!

今回は映画「マンチェスターバイザシー」を観てきましたので、その感想・評価を書いていきます。

本作は、宣伝的には「感動作」みたいな扱われ方をしていますが、そんなに単純な映画ではありませんでした。

評価するのもなかなか難しいです。

ただ、少なくとも万人が「感動した。良かった!」という、前向きな感想を持つ作品ではないと思います。

まぁ、詳しいことは後ほど記載していきますね!

マンチェスターバイザシーとは

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マンチェスターバイザシーは、去年(2016年)アメリカで公開され、第89回アカデミー賞・主演男優賞(ケイシー・アフレック)と脚本賞を受賞しました。

もともと日本で公開の予定はなかったように思いますが、上記のアカデミー賞や映画賞での成績が評価され、公開されることが決定しました。

 

ちなみに「マンチェスター」というとイギリスの町を連想するかもしれませんが、本作の「マンチェスターバイザシー」とは、アメリカのマサチューセッツ州にある小さな町を指しています。

もちろん実在する町です。

劇中で「ボストンからマンチェスターバイザシーまで車で1時間半」と言われているので、勘違いしていると「え、アメリカからイギリスまで車で1時間半!? どういうこと!?」と混乱するかもしれません。

 

マンチェスターバイザシーのあらすじ

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 アメリカ・ボストン郊外でアパートの便利屋として働くリー・チャンドラーのもとに、ある日一本の電話が入る。故郷のマンチェスター・バイ・ザ・シーにいる兄のジョーが倒れたという知らせだった。

 

 リーは車を飛ばして病院に到着するが、兄ジョーは1時間前に息を引き取っていた。
リーは、冷たくなった兄の遺体を抱きしめお別れをすると、医師や友人ジョージと共に今後の相談をした。兄の息子で、リーにとっては甥にあたるパトリックにも父の死を知らせねばならない。

 

 ホッケーの練習試合をしているパトリックを迎えに行くため、リーは町へ向かう。見知った町並みを横目に車を走らせるリーの脳裏に、過去の記憶が浮かんでは消える。仲間や家族と笑い合って過ごした日々、美しい思い出の数々——。

 

 兄の遺言を聞くためパトリックと共に弁護士の元へ向かったリーは、遺言を知って絶句する。

「俺が後見人だと?」

兄ジョーは、パトリックの後見人にリーを指名していた。弁護士は、遺言内容をリーが知らなかったことに驚きながらも、この町に移り住んでほしいことを告げる。

「この町に何年も住んでいたんだろう?」

弁護士の言葉で、この町で過ごした記憶がリーのなかで鮮烈によみがえり、リーは過去の悲劇と向き合わざるをえなくなる。なぜリーは、心も涙も思い出もすべてこの町に残して出て行ったのか。なぜ誰にも心を開かず孤独に生きるのか。

 

 リーは、父を失ったパトリックと共に、この町で新たな一歩を踏み出すことができるのだろうか?

 

マンチェスターバイザシーの感想・評価

ひたすら暗いヒューマンドラマ

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とにかく暗い、そして重い。

思っていたよりもずっとどんよりした映画でした。

 

公式サイトに掲載された著名人のコメントを見ると、

「驚くほど心を揺さぶられた」

とか

「ただ感動。人生に行き止まりなんてない。どん底に突き落とされ、心をみじん切りにされてもどこかしら温かい希望が見える傑作」

とか

「感銘を受けました。失ったものは絶対に戻って来ない。それでも生きる意味を見つけ出すのが人間。この映画は、その希望を思い起こさせてくれる」

とか書かれてるので、心温まるほっこり系映画なのかと思ってました。

 

「希望」ってワードが結構出てきてるので、最終的にはそれなりに前向きに終わるのかなぁーと。

ところがどっこいでした。

よくあるヒューマンドラマの分かりやすくて安易な希望は一切無しです。

 

本作はドラマチックな物語の波みたいなものはほとんどなくて、絶望した男の日常を淡々と描いています。

なので、「見ただけで感動」という作品ではありません。

「はい、皆さんここで感動しましょう」みたいな分かりやすいポイントがないんですよね。

 

自分で考えて、噛み砕いて、解釈しないと何も残らないと思います。

そうじゃないと最悪、ただ退屈なだけの映画で終わってしまうかもしれません。

 

なんの変哲もないリアルな日常

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ドラマチックな展開や安易な希望はありませんが、その分とてもリアルな日常を描いてます。

特に目に留まったのが、普通の映画ならNGを出してそうな描写をそのまま映しているところ。

 

たとえば、救急車に担架を乗せるとき、車輪を折りたたむシーンがあるんですが、それを一度失敗します。

失敗というか、上手く折りたためなくて手こずってる感じですね。

しばらくガチャガチャやって、ようやく畳みます。

あまりにも野暮ったくて、普通に考えたらNGっぽいシーンです。

 

他にもこんな感じのシーンはいくつかあって、

車をバックさせる時、リバースに入れるはずがニュートラルに入れちゃって、一度アクセル踏んでエンジンふかしてからそれに気付いて、もう一度リバースに入れ直してバック、とか。

超細かいですけどね。

でも明らかに洗練されてない野暮ったいシーンなので、意図的に挿入している可能性が高そう。

少しでもリアルな日常を追求した結果なのかもしれません。

 

救いがないから救われる?

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「絶望から無理に這い上がらなくてもいい」

これがマンチェスターバイザシーからのメッセージなのかな、と思いました。

 

最後の最後で主人公のリーがパトリックにこぼした本音、

「立ち直れない。辛すぎる」

は、あまりにも重すぎる台詞でした。

 

それまで2時間ほどリーの行く末を見守ってきて、最後に出た言葉がそれですからね。

「なんだよ。結局ダメなのかよ」っていうのがその時の正直な感想です。

 

でも、今現在弱って疲弊(あるいは絶望)している人が同じシーンを見たら、感じ方がまったく違うのかもしれません。

何も言わずにそっと寄り添い、肩を抱いてくれている、そんな感覚になれそうな気がします。

 

みんながみんな、絶望から這い上がって明るい未来を歩めるわけじゃない、そうなれない弱い人間もいる。

でも、それでもいい。

 

マンチェスターバイザシーには、そんなメッセージが込められていたように思います。

 

まとめ・総評

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再三書きましたがが、単純な「感動のヒューマンドラマ」ではありません。

表面上のストーリーはひたすら暗くて救いがありませんし、ドラマチックな展開もないので退屈してしまうはずです。

 

逆にいえば、すごく斬新で、見る人によっては心の救済にすらなりうるかもしれません。

そういう意味ではかなり異彩を放った作品だと思います。

私自身、かなり衝撃を受けました。

 

あ、書き忘れたけど、BGMもとても良かったです。

 


映画『マンチェスター・バイ・ザ・シー』 テーマ曲

 

哀愁漂う神秘的な音楽で、聴いてると不思議な気分になってきます。

若干ホラーテイストも入ってるかも・・・w

 

ということで、以上です!

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

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