ループインフォール

好きなことを書いていく雑多ブログ

【感想・レビュー】メッセージ|宇宙人の目的は「文字」にあった

メッセージとは

f:id:mcr7760:20170529013445j:plain

作品情報

作品名:メッセージ(原題:Arrival)

原作:あなたの人生の物語(原題:Story of Your Life)

上映時間:116分

監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ

主演:ジェイミー・アダムス

 

ストーリー


映画『メッセージ』本予告編

 

突如地上に降り立った、巨大な球体型宇宙船。

謎の知的生命体と意志の疎通をはかるため、軍に雇われた言語学者のルイーズ(エイミー・アダムス)は、“彼ら”が人類になにを伝えようとしているのかを探っていく。

その謎を知ったルイーズを待ち受ける、美しくそして残酷な切なさを秘めた人類へのラストメッセージとは…。

 

感想・レビュー

未知の物体・生物に対する恐怖

f:id:mcr7760:20170529010534p:plain

これでもかってくらい丁寧に表現されてます。

とくに序盤のなにがなんやら分からん状態の緊張感。

不協和音のような効果音が鳴り響いて、宇宙船(通称「ばかうけ」)のおどろおどろしさが伝わってきます。

主人公のルイーズが防護服をつけて初めて宇宙船に接近していくときも、防護服内で篭って荒くなった呼吸音がハァハァ聞こえっぱなしです。

この人このままぶっ倒れるんじゃないかって心配になるくらいハァハァしてました。

 

また、18時間ごとに宇宙船の下部が開き中に入れるようになるのですが、2回目の調査(侵入)前にルイーズの手がガタガタ震えだします。

 

f:id:mcr7760:20170529011424p:plain

ルイーズ「(こえええ…またあれと対話するのかよ…こええよお…)」

 

アメリカの思想家・エマーソンは「恐怖はつねに無知から生まれる」と言いました。

人は正体が解らないものに対して恐怖を抱くのです。

 

エイリアン(地球外生命体)との対話

f:id:mcr7760:20170529011531p:plain

この映画で一番面白いのはここです!

言葉も文字も通じないエイリアンに対して、どうやって意思の疎通を図るのか。

めちゃくちゃワクワクしませんか!?

 

以下、物語のさわりの部分だけ書きます。

 

まずはじめに声、言葉による会話を試みるんですが、エイリアンの声は意味不明な「ブォーン…ウウゥーン…」って感じの、無機質な唸り声のようなものばっかり。

意思疎通できる気配、まったくなし!

 

早い段階で「会話、無理」と悟ったルイーズは、次に文字とジェスチャーを使います。

ホワイトボードに『HUMAN』と書いて、手で自分をトントン。

するとエイリアンもそれに反応し、象形文字のようなものを描き始めます。

 

その後ルイーズが解読を進めていくと、エイリアンが書く象形文字は表音文字ではなく表意文字だということが解ります。

  • 表音文字:アルファベットやひらがなのように、文字自体(「あ」とか「A」とか)には意味を持たないもの。
  • 表意文字:漢字のように文字単体(「空」とか「海」とか)に意味を持つもの。

 

ちなみに日本語は表音文字と表意文字を使い分けていて、そのような言語は世界的にみても珍しいそうです。

 

f:id:mcr7760:20170529011603p:plain

 

まあこんな感じで少しずつコミュニケーションをとって、エイリアンに対して語彙を教え、自分たちもエイリアンの書く文字の意味を解読していくわけです。

 

この作業を見ているときが本当にワクワクしました。

言葉も文字だけならまだしも、種族も文化も住んでいる星もテクノロジーも、もしかしたら科学的な概念(時間は過去から未来へ流れる、あらゆる物は光速を超えられない等)すらも違う物体と、どうすれば意思疎通ができるのか? と映画を見ながら考え、想像しました(結論:もうわかんねぇなこれ)。

 

宇宙人襲来シミュレーション

f:id:mcr7760:20170529011646p:plain

こんなことが実際に地球に起こったら? というシミュレーションとしても面白かったです。

そういう意味では、上記のエイリアンとの対話もそうですよね。

地球外生命体とどうやって意思疎通を図るのか? というシミュレーションです。

 

人間同士の内部的な問題も劇中で描かれてます。

はじめ各国は、明らかな地球外からの物体・生命体に対して協力しあう姿勢をみせていて、実際に情報交換しています。しかし、事態が緊迫していくにつれて意見が食い違ってきたり、お互い疑心暗鬼になったりして、徐々に連合を脱退していく国が増えていきます。

 

さらに群衆は暴徒となって強盗や略奪を起こしだし、挙げ句の果てには軍部の一般兵が錯綜した情報に惑わされて、独断で宇宙船にC4爆薬を仕掛けだしたり…。

 

でも、実際こういうことって起こりそうじゃないですか。

宇宙人の侵略だ! モタモタしてないで早くやっつけろ! って考える人は結構多そう。

まあ地球に到達できるような宇宙船を作れるテクノロジーを持った宇宙人と、ドンパチやりあって勝てるわけないと思うんですけどね…、絶対向こうのほうが強いでしょ。

 

まとめ・総評

f:id:mcr7760:20170529011723p:plain

純粋に面白かったです!

物語の核心部分について当記事ではほとんど触れていませんが、所謂どんでん返しがあります。

どんでん返しは言いすぎか、でも序盤からミスリードが含まれています。その辺も見所です。

 

しかし、純粋にSF映画としてもめちゃくちゃ面白かった。

言語に焦点を当てたのが良かったですね、とても斬新でした。

しかし実際あんなにしっかり解読できるもんなのかね、と訝しむ部分もありますが。笑

まあできるんでしょう! たぶん!

 

以上、最後まで読んでいただきありがとうございました!

 

関連商品

あなたの人生の物語

アメリカのSF作家「テッド・チャン」の著書であり、「メッセージ」の原作です。

 

映画「メッセージ」の公開から急激に売上を伸ばし、現在は発行部数13万部を突破しており、とくに「あなたの人生の物語」は、古今東西のSF短編の中でも傑作中の傑作だと絶賛されています。

 

そしてこの本、実は短編集になっていて、以下のタイトルが収録されています。

  • 「バビロンの塔」(The of Babylon, 1990)
  • 「理解」(Understand, 1991)
  • 「ゼロで割る」(Division by Zero, 1991)
  • 「あなたの人生の物語」(Story of Your Life, 1998)
  • 「七十二文字」(Seventy-Two Letters, 2000)
  • 「人類科学の進化」(The Evolution of Human Science, 2000)
  • 「地獄とは神の不在なり」(Hell Is the Absence of God, 2001)
  • 「顔の美醜について ― ドキュメンタリー」(Liking What You See : A Documentary, 2002)
  • 「作品覚え書き」(Story Note)

 

ちょっとややこしいんですが、本のタイトルになっている「あなたの人生の物語」っていうのは、短編集の中のひとつなんですよね。

 

原作とはいえ映画とは結構設定が違ってたりして、映画をみた人でも楽しめる内容になっています。

映画と小説、どっちが良いの? と気になる方も多いと思いますが、どこの焦点をあてるか、どの部分を切り取るか、が全然違うので、単純に優劣をつけるものではない気がします。

 

個人的には、映画よりも小説のほうがルイーズの思考に焦点があてられていて、落ち着いてる印象を受けました。逆に映画は、ラストの盛り上がりでハラハラドキドキさせてくれます。

どっちの方が良いのかっていうのは完全に好みですね。

 

映画に惹かれた方はぜひ一読してみてください。

すでに電子書籍版も発売されているのでスマホから手軽に読めますし、値段も安価で良心的です。

 

関連記事